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青白い月が空で光る夜。
初夏の爽やかな風が屋敷と民家の間を通り抜けていく。
今、俺は大きな屋敷の塀の前にいる。
依頼を受けたんだ。殺しの依頼を。
依頼主はこの小さな小さな国の領主の家臣。
内容は領主の暗殺。
どうやら後釜狙いらしい。
まぁ俺にとっちゃあそんな事どうでも良い。
興味も無い。
金は先払いで貰った。
後から払わないなんて言われたら殺すしかないからな。
で、此処がその可哀想な領主の屋敷前。
まぁ、俺が可哀想って言う義理もねぇが。
辺りに巡回の武士はいない。
さっさと仕事を終わらすか。
「よっと」
塀に手を掛け飛び上がり、塀を越える。
こんなもん俺にとっちゃ無いのと変わらない。
降り立った場所は庭園の草の上。
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