84人が本棚に入れています
本棚に追加
ははっ、大当たりだ。
目の前の縁側で領主が女二人と酒呑んでやがる。
のんきなこった。
今から殺されるってのに。
ゆっくり正面から近づく。
まだ気づかねえのか?
呑みすぎだろ。
なんで夜なのに傘差してるのかって?
これは俺の商売道具なんだよ。
で、俺の証しだ。
ん?
トレードマーク?
知らねえよそんな言葉。
「ほれほれ、おぬしらも呑まんかぁ~、ってなにぃ!? 貴様何者じゃ! 何処から入った!?」
やっと気付きやがったか。
こちとらわざと目立ってやってるのによ。
「……お前の首をもらいに来た。少しは抵抗しろよ?」
「く、曲者じゃあ!! 曲者じゃあ!!」
領主の声で四、五人家来が集まってきた。
やけに少ないな。
さて、俺の願う強き者がいるかどうか……
最初のコメントを投稿しよう!