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「蒼麻、何すんだ!?」
「違う!僕の意思じゃない!」
そう言いながら今度は水柱を出しやがった。
「っ!」
それに対抗して炎を出してぶつける。
蒼麻が攻撃をしてきたのは小田がコントローラーを出した直後だ。
それはつまり…。
炎と水が相殺された。
「お前の仕業だな?オタク野郎」
小田を睨みつける。
「そのコントローラーで他人を操る…それがお前の能力だ!そして蒼麻を操る為に行動を見ていた。違うか?」
「くひひ…せ、説明しなくてもわかるだろ、"火"。き、君はバカかい?」
イラッ。
「お前を倒せば全部終わりだ!」
流石に腹が立った。
小田に向かって両手に炎を纏い跳ぶ。
「タクト!」
蒼麻の声で振り向くと、
「へ?」
蒼麻が俺の足首を掴んでいた。
地面に向かって叩き落とされて背中を着く。
「がっ…」
「ゆ、油断しない方がいいよ?」
小田の言葉で前を向くとアクアナイフを両腕に装着した蒼麻が向かってきていた。
「っ!」
「避けろタクト!」
そう言うなら刃物を振り回すのは止めて下さい!
数撃、なんとか避けていたものの、避けられない斬撃がきた。
「…っのぉ!」
炎を纏った両手で真剣白刃取り。
だが成功したのも束の間、左手からもう一本のアクアナイフが迫ってきた。
ダメだ、やられる!
【力を貸してやろう】
「え?」
いつの間にか俺は真っ暗な空間にいた。
「俺は今の今まで戦って…。ここはどこだ?」
【叫べ。お前の武器の名は…】
どこからともなく聞こえてくる禍々しい声。
その言葉を聞いた後に叫んだ。
「竜炎斬!!」
気が付くと俺はアクアナイフを二撃共防いでいた。
赤く、燃えるような日本刀で。
「な、なに!?」
小田は俺から蒼麻を遠ざけた。
「お、お前は武器を出せなかったハズじゃ…」
ああ、そうだ。
俺は武器を出す事が出来なかった。
さっきだって武器を出そうとして失敗したしな。
でも…あの声…あの空間…なんだったんだろ?
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