炎の中の少年、霧の中の少女

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と同時に、眼鏡を掛けているハズの視界がぼやけた。 なんだ!? なんとか眼鏡を外し周りを見渡す。 視界がはっきりする。 「なんかわかんねえけど、行くか!」 俺は少女をお姫様抱っこで元来た道をなんとか戻り、部屋に連れ戻った。 ちくしょう…なんだってんだよ。 「よっしょ」 少女をベッドに寝かせ、ベッドの横に座り自分の手を少女の額に当てた。 「熱は…無いな」 額から手を離して壁に掛かった時計を見る。 あれ? 視界がぼやけて時計が見えねえ。 「ん?」 目を擦っても視界がぼやける。 「眼鏡…眼鏡」 ポケットから眼鏡を出して掛け、もう一度時計を見る。 よっしゃ、今度はハッキリ見えるぞ-って、 「ヤッバイ!!もう8時30分じゃんか!!」 って立ち上がったものの…。 「それよりこいつ、どうにかしないと…。病院に電話…って電話番号わかんねえ!どうしよ…」 俺は考えた挙げ句、鞄を持った。 「スマン!今日は出来るだけ早く帰ってくるから」 俺はベッドの近くにある机に書き置きを残して部屋を出た。 因みに書き置きの内容はこうだ。 『もし腹が減ったら冷蔵庫の中から適当に取って食べてくれ 色々と話しを聞きたいから、俺が帰ってくるまで待っといてくれよ 多分4時00分には帰るから それと、ゆっくり休めよ』 この書き置きの走り書きの文字の様に、俺は全速力で登校した。 その時不思議と霧が晴れていて、道を知っていれば登校にはそんなに時間は掛からなかったハズなのだが…。 何分俺は運動神経が良い方では無いので、道を探りながらでは無くてもすぐに息切れを起こす。 でもさっきは女の子抱えて全速力で走ったのに息切れしなかったな…。 さっきの現象はなんだったんだ?
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