タロット

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『あ…目ぇ覚めた?』 視界に入ったのは さっきまでいたはずの卑猥な色のライトじゃなくて 暖かい光の間接照明 …と、垂れ目のヒト。 「…ここ…。」 『ここ?俺んち。』 「…何事?」 『お前目ぇ閉じたまま動かへんねんもん。だから連れてきた。』 「…てことは…占い師さんのお家?」 起き上がってキョロキョロ回りを見渡してみれば 妙に片付いてて 白い壁に モノクロの家具 『占い師さんやなくて、亮。錦戸亮。』 「…錦戸…亮。」 『ね、大橋…まゆ…さん?』 「…何で名前?」 『ん。』 占い師さん、もとい錦戸さんの手には 社員証。 勝手に財布見やがったな、似非占い師め。
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