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『ちなみに今深夜1時ね。こんな時間に返すわけにいかへんから、まゆは今日は俺んちにお・と・ま・り。』
「…帰る。」
玄関に歩を進めれば
筋が入った腕に行く道を遮られ
『…何で来たん?店。』
まっすぐ見つめられて
ちょっと高鳴る心臓
反らした視線
「…たまたま、視界に入ったから。」
『せやんな。いつもは大好きな彼しか見えてへんかってんもんな。』
「…全部知ってんでしょ、どーせ。」
まさしくその通り。
いつもは恋人と歩いていたあの道を
今日は一人で歩いていたから。
昨日の夜に別れて初めての一人の帰り道。
思ってたより世界は広かった。
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