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『知ってるよ。いつも見てた、まゆのこと。』
そらしていた視線を戻せば
絡む視線に心臓が壊れそうなほど鳴っている。
壁に追い込まれて
見上げた顔は
怖いほどに綺麗で
『いつも見てた。こっちに気づかへんかなって。』
「…に…しきどくん…。」
『亮。亮って呼んでや。』
絡む指先に熱を帯びた。
「あたし、知らない…亮のこと…なにも。」
『これから知って。』
きっと明日から
またこの通勤路を一人で歩く。
あなたに会いに行くために。
∞end∞
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