プロローグ

4/9
前へ
/19ページ
次へ
――PM11:58 博物館外 パトカーのライトが集まる様子はいつ見ても壮観だ。外の指揮を任されたニードはそう思う。 ライトの赤色はいつも自分を奮起させてくれる。聞いた話によれば赤色には闘争心を煽る効果があるそうだ――。 その時が来るまでまで後2分。 相手はどんな手を使ってくるか判らない。警戒を高めろ。そう声をあげようとした時、耳を乾いた音が襲った。 同時に警官の1人が倒れる。 銃声――いち早くそれを察知したのはニード。 「拳銃を抜け! パトカーの陰に隠れろ! そいつは博物館にでもぶち込んどけ! 入り口の警備を強化しろ! 人っ子ひとり入れるんじゃねえぞ!」 寂れたコートを揺らし、この状況にどこか違和感を感じながらもニードは叫ぶ。 現場の状況はいつ爆発しても可笑しくないような緊張状態。誰かが次のアクションを起こせば、自分たちをも巻き込みかねない暴発を起こすだろう。 警官が銃のグリップを掴む手にも不思議と力が入る。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加