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混乱は更に拍車がかかり、頭の中は真っ白になる。
何が起きてんだ? どうなってんだよ……応えろよ。てめえら全部俺のモノだろうがよ。
「……くダ……ミちび……みヲ」
微かに声が聞こえた気がした。
声、というよりかはテレビの砂嵐で起こるノイズのような、壊れたカセットテープから聞こえてくるような、不気味な音が。
だが次はハッキリと聞こえた。それは耳から入ってきた声ではなく、脳から出てきたような、そんな音。
「合格ダよ。導こウ。異常者ノ君ヲ」
聞こえたというより、感じたその声はただ脳に響くだけで、理解することは出来なかった。
いや、俺なんかが理解出来るはずがなかった──
そして、俺の肩に後ろから何かが触れる。それが何であるか分かる前に、俺の意識は刈り取られていった……
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