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『地球には七十億の人間がいる』
それは、親だろうが教師だろうがテレビだろうが何でもいいが、誰かから聞いたことだろう。
今は六十八億人だとか、そんなことはどうだっていい。
重要なのは、これを肯定しているか否定しているかってことだ。
世には『百聞は一見に如かず』なんて諺があるが、人間ってのは皆が口々に言っていたら信じ、思い込んでしまう生き物なんだ。
もし疑うだけでなく、完全に否定しているというのなら……おめでとう。君は間違いなく異常者だ。
そんな他人を信じない、もしくは自分しか信じないなんて者は社会にでれば確実に淘汰される。
だが、淘汰されるのは、人間ではなくその心。
それも、簡単に挫かれ、崩され、砕かれる。
しかし、しかしだ。もしそれでも尚己を、己だけを信じ、貫いたならば、その正真正銘の異常者はどうなるか──
簡単な話。
彼らと同じ運命へと誘われるのだ。
ようこそ。地球のワンダーランドへ──
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