異常者ワンダーランド

新たなる世界、知られざる世界

　やあ、ようこそ。初めまして。

　ここがどこか分かるかい？
　分かるはずないよね。当然さ。

　ここは君みたいな、僕みたいな異常者が誘われ導かれた世界。
　そして彼らのような正常者と言われている者たちが除けられた世界。

　おや？　君は本当に異常者かい？
　おかしいね。異常者は自分こそが正常、正常者こそ異常だと言うものだけれども……
　いや、失礼。君にとっては些細で微々たるものであるんだろうね。

　さて、まずは確認。
　君は『君』でいること。それが最低にして唯一守るべき条件。
　いいかい？

　オッケー。それじゃあ行こうか。
　欺瞞と虚偽で満ちた異常な世界へ。

　──なんだい？　行かないのかい？
　ハハ、そりゃあそうだよね。自分しか信じない者が他人からの命令、勧誘に従うはずがないよね。

　でも残念。
　これは強制だよ。でももう行かなくていい。

　──落すから。