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自転車で走ること10分。
俺は桜花高校に到着した。
桜花(おうか)高校は元々女子校だったのだが、
去年共学高になったのだ。
受験生だった俺は家から近い事と、授業料が安いためこの学校に受験したのだ。
俺が教室に向かっていると、
「おーい!圭吾!!
おっはよー!!」
後ろを振り向くと幼なじみの平野 飛鳥(ひらの あすか)と、悪友の田中 康彦(たなか やすひこ)が走ってきた。
「おぉ、おはよう飛鳥。
今日は1人で登校か?」
「あれ!?俺の存在無視!?」
とりあえず悪友を無視して飛鳥に話しかける。
飛鳥と康彦は小学校の時から同じクラスの腐れ縁だ。
だから、こういうやりとりも昔からやっていた。
「おーい!!俺を無視しないでくれよ!
俺はここにいるぞ!!おーい!!おーi「うるせぇぇぇぇ!!「ぐはぁ!?」
雪山の遭難者のように騒いでいた康彦の顎にアッパーを決めた。
康彦は天井に勢いよく突き刺さり、動かなくなった。
「あの……富士宮さん。康彦さんは大丈夫なんですか?」
偶然通りかかった女生徒が俺に尋ねた。
俺は満面の笑みを浮かべて女生徒に言った。
「大丈夫大丈夫。
康彦は頑丈だし、あれで喜ぶマゾだから。」
女生徒は赤らめて、ぼーっとし始めた。
「大丈夫?風邪引いてるの?」
俺は顔を赤らめている女生徒の額に手を添える。
「「!!!」」
女生徒はますます顔を赤くしてもじもじし始めた。
俺が不思議に思っていると、飛鳥が俺の足を踏んづけた。
「痛て!」
「なにしてんのよ圭吾!!
急がないと遅刻だよ!!」
「やべえ!もうそんな時間か!?
じゃあお大事に。」
俺は赤面している女生徒に一言言って、
俺達は急いで教室に向かった。
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