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「ふぅ……間に合った……」
「圭吾があの子にあんなことするからでしょ?
あんたはただでさえモテるんだから。」
「俺がモテる?なんで?」
俺が飛鳥に聞くと、飛鳥はため息をついた。
「はぁ~……なんでもないわよ。
……ったく……あんたはなんでそこまで鈍感なのかしら。」
飛鳥はなにかぶつぶつ呟きながら体育館に向かっていった。
その直後、俺の席に誰かが走ってきた。
「圭吾!!てめぇいきなり殴るのは反則だろ!!」
「安心しろ。お前に対する俺のルールは無い。」
「じゃあ作れよ!!
………まあいいや。それよりお前飛鳥と仲いいよな。
お前イケメンだし、飛鳥は美少女だしお似合いなカップルじゃないか?」
「な、何言ってんだよ。
飛鳥とは付き合ってねぇし。」
「まぁ妥当だろうな。あんな暴力女と付き合う方が大変だぜ。」
康彦が笑いながら言った瞬間、
康彦の後ろにどす黒いオーラを纏って微笑んでいる飛鳥がいた。
「誰が暴力女ですって?」
「そりゃあ飛鳥しか――ん?」
康彦が恐る恐る後ろを向いて、飛鳥に気づく。
「……悪ぃ、俺先に体育館に行くわ。」
「ちょっと待て!!
俺を見捨てないでくれ!!」
「……成仏しろよ。」
「俺はまだ死んでねぇよ!!」
「安心しなさい。
あんた今から死ぬから。」
「飛鳥さん!!なに不吉な殺人宣告してんの!?
って圭吾!!先に行かないでくれ!!
俺を見捨てるなぁぁぁ!!」
俺は康彦の叫びを無視して教室をでた。
「死ねぇぇぇぇぇ!!」
「みぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
教室から康彦の悲鳴が聞こえたが、俺は気にしない事にした。
というか、気にしたら駄目だと思う…………多分。
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