伝わってます。

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「先生…失礼します。聞きたいことがあって」 礼儀よく、挨拶したのは小太郎だ。真面目で勉強熱心で、髪をポニーテールに結った少年。どちからというと、女顔に近い可愛らしい少年だ。 「どうぞ。どうしました、わからないことでもあるのです?」 松陽は、優しく微笑んだ。 「違うんです、勉強じゃなくて松陽先生の飼ってるワンちゃんのようすについてなんです……元気がないんです。びょーきとかじゃないんですか…」 どこか心配しているのか、小太郎は俯きながら答える。 正直この時は松陽自身もびっくりした。そう、松陽自身塾の外庭でイヌを飼っていた。全体的に、白い毛を持つが、ところどころ黒いマダラ模様のある雑種犬。だが、このイヌはもう後先が短いことも松陽自身知っていたが、一番世話をした小太郎には、言わないようにしてきたのだった。それにこのイヌは、小太郎が一番世話もしたし、名前をつけたのも小太郎だ。白と黒と自分の名前から、小太郎は、「シロクロー」とつけたらしい。
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