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「小太郎……あの子はまだ辛いながらもお手をして応えてくれてるってことは…少しでも僅かでも、貴方と一緒にいる機会作りたいんじゃありません?小太郎も、一緒に居たい気持ちは同じでしょ?いつも通りに接してあげてください。たくさん触れてあげてください」
松陽の言葉は、まさにその通りだ。小太郎は、その話を聞けば、「はい」といって犬小屋へ走り出した。松陽も後から小太郎を追った。
「しろくろー、しろくろー//」
いつものようにシロクローの頭を撫でてやると、にこりと、シロクローは小太郎の目を見る。元気な頃は飛びついて、小太郎の頬を舐めずりまわったようだが、今じゃ寝そべったまま見上げることしかできない。それでも、笑顔を向けてくれるシロクローは、天使のような笑みだった。
「小さいときから一番お世話してくれましたよね。シロクローは、本当に小太郎のことが大好きみたいですね」
松陽も、シロクローの背中をさする。
だが、明日明日と、日が進むに連れて、シロクローと戯れることができなくなるカウントダウンも徐々に始まっていた……
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