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西へ西へ向かうと、今度は竹林の多い国に辿り着きました。 色んなものが売られたり買われたりして、とても人の多い国です。 男の子は、竹で出来た家の中を覗き込みました。 小さな黒髪の子供達が三、四人ほど、それぞれ好きなことをして遊んでいました。 一人、若く見える男の人が子供達の面倒をきっちりと見ています。 「この子達なら、友達になれるかもしれない」 男の子は思いました。 しかし、窓から覗き込む男の子を見付けると、子供達は大きく騒ぎ出しました。 白い肌と高い鼻のせいで、子供達には男の子が妖怪か何かに見えたのです。 男の人は男の子の顔を見て北の国から来たのだと分かると、槍を持って男の子を追い出しました。 竹林の多い国は北の国から何回も侵略されそうになっていたからです。 何度か男の子をつつき、男の人は忌ま忌ましそうに言いました。 「消えるよろし、異人め!」 マフラーをした男の子は悲しくなって、竹林の多い国から出ていきました。
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