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西へ西へ歩き続けると、いつしか少し暖かい国に着きました。 男の子が生まれた国より暖かいのに、どこか暗い空気が漂っていました。 男の子は一つの豪華な家の中をのぞき見ました。 小さな可愛い女の子が、一生懸命ほうきで廊下を掃いています。 くるんと一本だけ飛び出た毛をぴこぴこさせて、とても楽しそうです。 「あの子なら、友達になってくれるかな」 男の子は思いました。 しかし、女の子は窓から覗き込む男の子を見つけたとたん、泣き出してしまいました。 日の光のせいで、女の子にはマフラーをした男の子がとても恐ろしいお化けに見えたのです。 女の子が泣き止まない内に、年が同じぐらいの男の子が飛び出してきました。 黒い服を着た男の子は、好きな女の子を泣かせたお化けが許せません。 小さな剣を振り回し、勇敢にお化けを追い払おうとしました。 「出ていけ、怪物め!」 マフラーをした男の子は悲しくなって、少し暖かい国から出ていきました。
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