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さらに西へ西へ向かうと、今度はとても暖かい国に着きました。
太陽が輝き、色んな花が咲いています。
男の子は、小さい質素な家の中を覗き込みました。
ひらひらの服を着た男の子が赤い実を食べています。
すぐ横で、体格のいい男の人がニコニコ笑ってそれを見ていました。
「この人達なら、友達になれるかな」
男の子は思いました。
しかし、窓から覗き込む姿を見つけると、食べていた男の子はびっくりして泣き出してしまいました。
輝く太陽のせいで、マフラーをした男の子を自分をさらいに来た悪人と勘違いしたのです。
男の人はまたか、という顔で子を抱き上げました。
赤い実のように可愛い男の子は狙われやすく、さらいに来る人が後を絶たなかったのです。
子をぎゅっと抱きしめ、男の人は窓に向かって叫びました。
「二度とくんな、人さらいめ!」
マフラーをした男の子は悲しくなって、とても暖かい国から出ていきました。
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