‡九年後‡

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…あたしは、勝手に動き出した足を…止めることは出来なかった。 真子が向かった、一番隊舎へあたしも向かう。 ―――――― 盗み聞きは駄目だって分かってる。 でも…隠れてる物ほど見たくなるのは人の性…仕方ない。 あたしはできるだけ霊圧を消し、窓に近づく。 そっと中を覗く。 目の前には、長い、ストレートの金髪…。 真子だ。 「(真子だ!やった♪)」 総隊長を見るのも初めて…。 二番隊長の…四楓院 夜一隊長…? スタイルも顔もいい…。 真子に目をやると…凄く真剣な横顔…。 それを見て、にやけるあたし。 「(ハッ…変態かっ…あたしは…!!)」 ひとりでデレデレしていると、中の扉が勢いよく開かれる。 『ボクに…行かせて下さい…!!』 「(浦原隊長…?)」 あたしは、真子ばかりみて、話を聞いていない事に気づく。 『…ならん。』 総隊長が、良く通る声で言う。 「(…。)」 あたしは…その様子に見入ってしまった。 すると、突然、大きな声で、「何や!」と聞こえた。 「(り…リサ!?)」 リサも、あたしと同じ事をいう。 「隠れとるもんほど見たくなるのが人の性や!!」そして、京楽隊長と、何か話して、リサは行ってしまった。 そして、総隊長が言い放つ。 『それでは、鳳橋楼十郎・平子真子・愛川羅武・有昭田鉢玄・矢銅丸リサ、以上の五名を以て、魂魄消失案件の始末特務部隊とする!!』 あたしの頭に浮かんだのは、後をつける事。 ―――――― ザザザッ……!!!! みんなの後を追う。 バレないか緊張したけど、バレずに行けそうだ。 現場についた。 そこで、ひよ里が虚(ホロウ)に襲われていた。 真子は、斬魄刀を抜き、瞬歩でひよ里に近づき、虚を弾く。 あたしは、今にも動きそうな体を抑えた。 何もできない、自分を恨んだ。 みんなが…戦ってるのって…拳西と…白…? ひよ里は咳き込み、何か言っている… 次の瞬間…真子はひよ里に斬られていた。 ひよ里の顔には、仮面。 霊圧も虚のようだ。 ひよ里が…叫ぶ。 ラヴが、ひよ里に駆け寄ろうとした瞬間…あたしは何も見えなく、そして、聞こえなくなった。
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