156人が本棚に入れています
本棚に追加
隊長はずり落ち、膝に。
「(ひ…膝枕…!!)」
『玖…零…』
「此処(ここ)に居ます。」
隊長は、一言。
『胸…あるんやな。』
「!!!!!!」
寝言!?
起きてんの!?
帰ろうかと思ったが、膝に寝ている平子隊長を退けるのが勿体無くて中々動けない。
「サラッサラ…」
隊長の髪を触る。
月の光に照らされ、金髪の髪は更に光り輝く。
「寝顔…。」
チラリと見える横顔は、無防備で、安心しきっているように見えた。
…。
「(ハッ…見とれてしまった…)」
でも、ずっとこの体勢だと、足が痺れてくるので、そろそろ平子隊長を布団へ移動させなくては…。
一度、隊長を床に寝かせ、布団をひいて、隊長を抱え…か… かえ…られない…。
あ、引きずればいいのか!
なんとか、ズルズル引きずって、布団の上に。
「ふぅ…できた…。」
布団に座っているのは、少し気が引けるので、立ち上がろうとした
その時だった…
ガッ!!
「ひゃあ!?」
手首を掴まれ、布団に倒される。
「た…隊長!?起きてるんですか!?」
手首を掴んだ大きな手は、力が入り、離れない。
「…」
顔が目の前にある。
あと5㎝と少しで、顔が当たりそうだ。
そんな事を考えていると、腰に手がまわってきた。
そのまま、あたしを抱き寄せた。
「っ…!?」
隊長の息が、あたる。
心臓の鼓動が聞こえそう。
何故あたしを抱き締めているのかは分からない。
でも、嫌ではない。
むしろ…嬉しい?
考えていると、いつの間にか眠ってしまっていた。
――――――
~次の朝~
――――――
目が覚めると、隊長は居なかった。
時間はまだ、五時三十分と、少し早い。
ぼーっとする頭が、だんだんハッキリしてきた。
「きのうは…隊長と…」
顔熱い。
しかも…あんな近くで…
独りで恥ずかしがっていると、また、背後から声が聞こえた。
『おはよーさん、○○!』
「きゃう!たたっ…隊長!?何で此処に!?」
『俺の部屋に俺がおって何がおかしいねん。』
「あ、そっか…って、今下の名前で呼びましたよね!?」
『気付くの遅っ!!』
最初のコメントを投稿しよう!