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『ふー…良いお湯だった』
俺は風呂から上がってリビングに向かいながらそう言った
つか、母さんかえってきたのか?
…あ、1日だけ家に帰るとか言ってたな…
『…明日からはまた向こうで仕事、か…』
両親は単身赴任中だからな
俺は何だか心寂しいような気持ちでリビングに向かっていたのだが、不意に後ろから声をかけられた
「昴、ちゃんと髪乾かしたか?」
『……兄貴…別に、兄貴には関係ねぇだろ』
つか、今兄貴と関わりたくない!
仮にも俺を…俺を…!!
「…へぇ?そんな事言っちゃうんだ……ふーん…」
『な、なんだよ…』
兄貴はジト目で俺を見ながら何かを考えている
…嫌な予感しかしない
また、なんか変な事たくらんでんじゃねーだろうな……
俺が警戒心丸出しで相手を見詰めていれば、その視線に気付いたのか兄貴はニッコリ笑った後に
「別に、何もないよ?…さて、昴はもう寝なさい?夜遅いからね」
『言われなくても寝る!』
なんか、子供扱いされてね??
くっそ…俺はもう子供じゃねーんだ!
そう思って俺は足早に自分の部屋に戻った
…兄貴が黒い笑みを浮かべながら
「明日、覚えとけよ…昴」
そう呟いたのは知らずに
『明日は文化祭か、早めに寝よ』
そう言って俺は眠りに落ちた
まさか、文化祭が地獄の祭りになるなんて思いもよらずに
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