誕生日

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「あら、もう始まってたの?」 入り口から突然声が聞こえた。 「あ、千尋さん!」 凛が声の主の名前を呼ぶ。 それと同時に俺は振り向いた。 全体は茶色いけど一部分だけ黒く染まった長い髪。 耳にはインカムを付けたスーツ姿の擂門寺 千尋(ライモンジチヒロ)が立っていた。 「千尋さん。どこに行ってたんですか?」 「んー?ちょっと荷物取りに行ってたの」 凛の質問に千尋は笑顔で答えた。 「あ、プレゼント貰ったんだ」 俺が手に持っているプレゼントを見て千尋は言った。 「オゥ! 千尋も何かプレゼントくれんのか?」 少し期待にを持って俺は言ったが…。 「あげないわよ。 物あげたらあんた直ぐ壊すし」 俺の期待はあっさりと壊された。 「お前なー…。 サラッと言うなよ」 「事実だからしょうがないでしょ? …でも焔児。お誕生日おめでとう」 真っ直ぐに俺を見つめながら千尋は言った。
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