序章

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『焔児様。おはようございます』 俺よりずっと年上の人が、俺の顔を見るなり深々と頭を下げてくる。 …普通に挨拶してくれて良いのに…。 『焔児様はますます強くなりますな! やはり初代様の生まれ変わり。 この里もまた盛んになります』 いつもだ。 何かすれば初代様、初代様って……耳がタコになる。 『お主は十五代目の当主になるのだ……。生まれた日からそう決まっておる! これは定め……、いわば運命なのだ!』 ふざけんな…! 何が運命だ!!俺は当主に何かならない!! 『俺の事を、影で笑っていたんだろ……!! 立派な当主になるために日々努力してきた俺を……お前は馬鹿だと思ってたんだろ!!』 違う……。 違うよ、にーちゃん!俺は馬鹿に何てした事ない!! 尊敬してたんだ! 自慢のにーちゃんだって…! 『お前何て…、いなくなればいい……。 死ね!!焔児!!』 止めてよ、にーちゃん……。 止めてくれーーーー!!!
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