10人が本棚に入れています
本棚に追加
『焔児様。おはようございます』
俺よりずっと年上の人が、俺の顔を見るなり深々と頭を下げてくる。
…普通に挨拶してくれて良いのに…。
『焔児様はますます強くなりますな!
やはり初代様の生まれ変わり。
この里もまた盛んになります』
いつもだ。
何かすれば初代様、初代様って……耳がタコになる。
『お主は十五代目の当主になるのだ……。生まれた日からそう決まっておる!
これは定め……、いわば運命なのだ!』
ふざけんな…!
何が運命だ!!俺は当主に何かならない!!
『俺の事を、影で笑っていたんだろ……!!
立派な当主になるために日々努力してきた俺を……お前は馬鹿だと思ってたんだろ!!』
違う……。
違うよ、にーちゃん!俺は馬鹿に何てした事ない!!
尊敬してたんだ!
自慢のにーちゃんだって…!
『お前何て…、いなくなればいい……。
死ね!!焔児!!』
止めてよ、にーちゃん……。
止めてくれーーーー!!!
最初のコメントを投稿しよう!