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お嬢様は気だるげな笑みを僕の鼻の先に触れるほど近づけて囁いた。
「ねえ、私ね世界の男という男が全て嫌いなの。何故って?お父様とお兄様をご覧なさいよ。女ってだけで私をオモチャのように扱いになられる。自分の富と名声のためのね。」
ここはお嬢様の私室。
僕が顔を赤らめ返答にこまっているとお嬢様はにんまり顔を崩さぬまま上等な絹地に金糸で細かく刺繍のほどこされたソファの上に横に横になられた、イタズラな上目遣いが悩ましい。
お嬢様は何をなさってもさまになられる。
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