侯爵令嬢、白峰百合子。

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時は大正、東洋と西洋との文化が凌ぎをけずりあい、融合しあう風光明媚な時代。 お嬢様…白峰鶴昌侯爵がご令嬢、白峰百合子様。 百合子お嬢様はそれはそれは美しくこの時代もお嬢様のために美しいのではないかと思わせるほどでした。 現に社交界においてお嬢様を知らぬ者は無く、求婚する貴公子が絶えず現代のかぐや姫などという名前で社交界の羨望の的でありました。またそれから始まり名前をもじって峰の白百合、日本社交界の一輪花…等々、数々の名で噂されるようになり最近では英国の貿易商がいきなり求婚し振られたあとに「good-bye,TOKIO riry..」などと言い残したので今ではもっぱら東京リリーとお呼ばれになられています。 「要助、ぼーっとしないで、もう寝るからウバのミルクティを作ってきてちょうだい。」 お嬢様のおっしゃるとおり、ぼーっとしていた僕は、 「はい、ただいまっ。」 と下の調理室まで駆け出していた。
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