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「湊!やっと起きたのか。今日が会社休みだからって寝過ぎだぞっ」
…。
「まだ寝ぼけてんのか?相変わらず朝に弱いな~」
…髪を撫でるなよ。
そして乙女の部屋のしかもベットに腰掛けまばゆいくらいの笑顔で私を覗き込んでいる男。
こいつ、井澤彼方こそが私の日常を壊しているのです!
「…ちょっと。この手どけて」
男のくせに白くて綺麗な手を掴むとポイッと放り投げてのそりと起き上がる。
鳥の巣状態の頭をかきながらベットサイドに置いてある眼鏡をぼやける視界で探しかけた。
まぶしいぞ彼方。
視界がはっきりしたせいで目の前のヤツの輝きが増す。
「おはよう、湊」
そう言ってヤツはいつものごとく私の頬へとその唇で触れた。
幼い頃から何故か朝の挨拶だと言って人の頬へ勝手にキスする。
いくらやめろと言っても聞かないからもう諦めています。
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