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「………はあ?」
「誕生日、おめでとう。
俺からのプレゼントだよ。
下を見てご覧。」
シズちゃんは言われて、顔をしかめながら柵の方へ歩き始めた。
「お、おぉ…」
目を見開いて、きらきらした目でその景色をみていた。
--そう、俺からのプレゼントというのは…
真っ暗な夜の街を彩る、幾千もの光という名の宝石たち。
どんな人も車も、そして争いごとや憎しみとかいう醜さも、そこには存在しない。
例えて言うなら、それは抱えきれないほどの宝物だ。
俺たちにとって、いい思い出ばかりとは言えない池袋という街の、夜にだけみせる美しい姿。
「この景色を、贈るよ。」
目の前で、街の美しさに魅入られている君へ。
俺の心に入り込んだ、愛しい君へ。
--俺のために生きて欲しいなんて言わないけど。
--せめて、これからも俺のことだけ追いかけてなよ。
(Welcome To Underground)
(僕の心へようこそ)
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