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「まあ、落ち着いてよ。
今日は、君と喧嘩するために赴いたわけじゃないんだからさ。」
「テメーが今すぐに東京タワーから飛び降りてくれんなら落ち着いてやるよ」
シズちゃんは言いながら、すぐ側にあった鉄製の灯りを片手で引き抜くと、俺に向ける。
「やだなぁ、これだから血の気が多いって言われるんだよ。
だいたい、標識だの電柱だの、公共の物を壊すのって犯罪だよ?」
俺は笑い、シズちゃんに視線を向けたまま彼との距離を離して行った。
100m、200m…
「待ぁぁてぇぇぇぇ!いぃーざぁーやぁーーー!!!」
全速力で走ると、シズちゃんもめちゃくちゃなスピードでどんどん距離を詰めてくる。
--ヤバいな、さすがの俺でも、そろそろ……
持てる力の全てを出して走っているせいで、足に限界が近づいていた。
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