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「濱田先生、教室で菊池さんが具合が悪そうにしています。」
私の言葉に濱田先生の顔色が一瞬変わる。
その表情は、教師としてではなく、恋人として心配している顔だった。
「三年生担当の教員は濱田先生しかいらっしゃらないようなので、教室に見に行って頂けますか?」
「…分かった。」
濱田先生は頷くと、すぐ職員室を出る準備をした。
「ありがとな。」
濱田先生はにこっと私に囁くと、階段を駆け上がった。
この顔、きっと舞の好きな顔だ。
私はその背中を見送ると、靴箱に向かった。
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