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走っていると、原田達の部屋が見えてきた。
余談だが原田、永倉、藤堂は仲が良いため三人とも副長助勤の立場だが同じ部屋である。
風はスパッンッ!!と障子勢いよくを開け、三人の男の中で一番大柄な男におもいっきり抱きついた。
抱き付かれた大柄な男【原田佐之助】は愉快そうに笑い、風の頭を乱暴だが優しく撫でた。
それを見ていた三人のなかで一番小さな男
【藤堂平助】はニコニコと笑いながら風を見た。
もうひとりの男【永倉新八】は風を原田から奪い
ぎゅーと締め付けるように抱きしめた。
藤堂「よお!!風、遊びに来たのか?」
風は永倉に抱きしめられ苦しそうな顔で、
藤堂に目線をやり「うん。」と返事を返した。
永倉「風、今日はちゃーんと飯、残さず食ったのか?」
永倉は自身の腕の中にいる風に心配そうに訪ねた。
風「……うん。食べた」
若干間を開けた返答に永倉は困ったような顔でもう一度強く抱きしめた。
その様子を見ていた原田が拗ねたように
原田「新八、ずりーぞ!!俺の妹取るな!!」
永倉「へん!!風は俺の妹だ!!」
原田「おーれーのーだーー」
永倉「いーや!俺のだ!!ほら!風も俺の腕の中で幸せそうな顔してるだろ!」
原田「いや、あんまり表情変わってねーけど幸せなってより苦しそうだぞ?」
永倉「あ!すまんキツく締めすぎた」
風「…………。」
永倉がキツく抱きしめすぎたせいで、
風は苦しそうに顔を少し歪めている姿を
見て永倉が慌てて腕を緩めた
それを見た藤堂は呆れたように二人を見て「こっちへおいで」と風を誘う。
藤堂の誘いにのり、永倉の緩まった腕から脱出し藤堂のあぐらの上に座った。
呆れたような、怒ったような、そんな顔でため息を一つ吐き
藤堂「新八さんさぁ、力加減くらいできるようになろうよー。
あと左之も!そんでもって風は水の妹だからね!
しかも屯所内で大きな声で妹なんて言っちゃダメだってば!!」
言い終わると、風の頭を優しく撫でながら
藤堂「風、何して遊ぶ?碁でも打つか?」
風「うん。打とう」
そういい、二人は原田や永倉を無視して碁を打ち始めた。
すっかり無視された原田、永倉はシクシクと泣き真似をしながら二人で部屋の隅に居た。
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