∽第21章∽

1/5
前へ
/478ページ
次へ

∽第21章∽

その日からあたし達は 闇麒を潰すために本格的に動き始めた 最初はタツヤを轢いた相手を特定するため 警察に行こうと提案したけど その考えは却下された 「んなこと、とっくに俺がやってる」 サクヤはHOPEのソファーに足を組んで目を閉じたまま口を開いた 「タツヤが入院してすぐ… 教え子だからって警察に聞いたんだ タツヤを轢いたのは誰だって… 轢かれたのは交差点だったんだけど 監視カメラも防犯カメラもなくてな おまけに車通りも人通りもない… つまり目撃者もないってことだけど 何も誰が轢いたっていう証拠もない って警察に言われた」 「車のナンバーで所有者が分からなかったの」 最後の望みであるように 問いかけたけれど サクヤは苦虫を噛み潰したような表情をした 「盗難車」 「…本当に証拠がないんだ」 酷い・・・ 「・・・レン」 もう1つのソファに腰掛けたレンに目をやる
/478ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1680人が本棚に入れています
本棚に追加