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∽第21章∽
その日からあたし達は
闇麒を潰すために本格的に動き始めた
最初はタツヤを轢いた相手を特定するため
警察に行こうと提案したけど
その考えは却下された
「んなこと、とっくに俺がやってる」
サクヤはHOPEのソファーに足を組んで目を閉じたまま口を開いた
「タツヤが入院してすぐ…
教え子だからって警察に聞いたんだ
タツヤを轢いたのは誰だって…
轢かれたのは交差点だったんだけど
監視カメラも防犯カメラもなくてな
おまけに車通りも人通りもない…
つまり目撃者もないってことだけど
何も誰が轢いたっていう証拠もない
って警察に言われた」
「車のナンバーで所有者が分からなかったの」
最後の望みであるように
問いかけたけれど
サクヤは苦虫を噛み潰したような表情をした
「盗難車」
「…本当に証拠がないんだ」
酷い・・・
「・・・レン」
もう1つのソファに腰掛けたレンに目をやる
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