純白の姫

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◆ ◇ ◇ 早朝――― 開け放たれた窓を通じてレースのカーテンが微風と共に靡く。 早朝特有の肌寒さを体感させる、白い霧を纏った風は室内全体を支配し、熟睡している者に目覚めを誘う。 「………。……ん……」 白。 艶のある綺麗な純白の前髪が微かに動き、少女の瞼が震える。 軽んじて触れる事が赦されないと思える程の神聖な雰囲気を醸し出し、芸術の域を越えた美貌を持つ眠り姫――リリス。 何気ない仕草は、するだけで見る者全てを魅了する。 無論、目覚めの前兆も例外ではなかった。 そして彼女は目覚める…。 ……痛みと共に。 「……んっ………ぁっ……」 微かな身体の痛みに右眉を僅かに吊り上げ、起き上がろうとしたリリス。 だが思わずシーツを握り締めてしまった。
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