純白の姫

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リリスの行動に脳が反応し、身体全体に激痛を血液のように行き渡し始めたからだ。 「………っ……」 収まらない痛みにリリスは唇を強く噛み締める。 シーツは見るに堪えない位腕の力を加えられ、皺くちゃになっている。 それ程痛みは酷いのだ。 そしてリリスの唇の端から鮮やかな血が伝うのだった…。 ……凄まじい痛みに耐え続けて数分。 「………。………ふぅ」 リリスは漸く痛みから解放され、考えを巡らす事が出来るようになった。 深い眠りから目覚めて間もなく身体に激痛が全身に行き渡ったのだから仕方のない事だろう。 目覚めた時……つまり現状を理解出来ない状態だった彼女の頭に埋め尽くされていたのは‐焦燥‐と‐痛覚‐。 リリスが考えを巡らす余裕は全くと言ってもいいほどなかったのだ。 痛みに耐えた彼女が得たものといえば、頬を伝う汗だった…。
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