純白の姫

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……数分の時間を削ってもリリスは答えを導く事が出来なかった。 先程の痛みによる副作用で通常の10分の1しか働かない脳。 今のリリスに、考えを巡らせるだけで解答が出る事は有り得なかった。 それを理解したリリスは、大分痛みに慣れた身体の上半身を起き上がらせた。 何の抵抗もなく上半身の肌に冷気が触れ、身体が無意識に震える。 「………。……え?」 リリスは間の抜けた声を思わず発した。 自分自身を見下ろした状態で。 リリス自身ですら大きいと実感している、露になった豊胸に幾つも付着している薄赤の痣と微かに臭う独特の匂い。 何も身に付けていない自分の情けない姿を見てリリスは驚いたのだ。 ……心当りは十分にあった。 忘れようがないリリスと、彼女を虜にした黒衣の少年フィルスが何度も繋がり、種付けした昨夜の甘い一時。 フィルスの激しい衝撃を受けた身体の痛みは一時的に麻痺されていただけで、早朝になって効果がなくなったのだろう。 リリスはそれを理解すると均等のとれた胸に手を当てた。 ……激しい鼓動が両手に伝わってくる。
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