純白の姫

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常人には理解出来ないリリスの心情。 初対面で、しかも被害者と加害者として位置付いていたリリスとフィルス。 リリスに根付いた内なる想い。 その想いは‐純愛‐か‐狂愛‐か。 ……それはまだ誰にも解らない。 ◆◇◇ 「……純白の姫リリス。 彼女はかつて禁忌を犯した勇者を浄化する力を持つ使徒だった筈……。 ‐開眼‐をしていないという事は――― ――……‐封印‐されているのか?」 背後に残像を残しながら歩み続ける、漆黒のローブを纏う少年は独白する。 既に闇は薄れており、周辺一帯を滞りなく見渡せる。 今現在、草木に囲まれている廃れた道に少年フィルスはいた。 歩く速度は常人のそれと同等だが、彼の背後からはフィルスの残像が一体化しようと追い掛けて来ている。 常人の歩む速さと同等の筈だというのに。 残像は焦点速度が合わなくなった時に初めて発生する―――それがこの世界の常識。 ……つまりフィルスは‐異端‐なのだ。
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