プロローグ

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開け放たれた窓から月の光が室内に降り注ぐ。 微風によりレースのカーテンは靡き、室内の様子が度々見え隠れしている。 上品な雰囲気が漂い、中心に配置されているキングサイズのベッドを初めとした高級感溢れる家具しか置かれていない、広々とした部屋……。 ―――そこで部屋の主は一人の男に押し倒されていた。 室内は統一されているのか、視界に入る全ての物が白い。 綺麗な艶の入った純白の長髪を乱雑に振り乱している絶世の美少女――部屋の主も例外ではなかった。 ……少女の眼前にいる漆黒の男を除いて。 白の中に入り混じった小さな黒。 ………それは白を汚す。 どんなに白で取り繕ったとしても消える事はない。
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