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序
冷たい雨が降る、夕暮れの街角。
君の小さな小さな肩は
震え続けていた。
……俺はこれまで、そこそこの人生を平凡に歩んできた。
適度に遊び、一応少しは勉強し
ちょっとくらい挫折も経験して
人並みな恋をする。
特に、幸せとか不幸だとか
深く考えてきたわけじゃない。
ただなんとなく成長し、気付いたら大学生になっていたというだけの話だ。
それがある日、鮮やかに色づいた俺の人生。
君に出会った。
こんな気持ち、俺は今まで知らなかった。
嬉しくて、切なくて、温かくて
愛しい……
君と出会えたこの人生が
とても愛しい。
たったひとりの、かけがえのない俺の女の子。
出会ってから長い時間が経った、今ならわかる。
俺は、君のためにこそ
存在したんだ……
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