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「ハハハ、確かにアレは頭には乗せられんよな」
笑いながら神夜は玄関に向かった。
そして、玄関の横に立てかけられた物に手を伸ばした。
木を流線型に削って朱色に塗った一枚の板だ。
「それなんだ?」
神夜が手に取ったその朱色の板を不思議そうに魔理沙眺める。
神夜はそんな魔理沙に得意げにその板を見せると、説明を始めた。
「こないだ霖之助さんの店に行ったらさぁ、外の世界の本が流れて来てたみたいでさぁ、非売品だから売れないって言われたから、読ませてもらったんだその場で――」
そこまで言って玄関の扉を開く神夜。
「で、その本て言うのが、外の世界で言うと‘漫画’って言うらしいんだけど、その本に出てくる人達がこんな板で空飛んでた訳、で、面白そうだったから特訓したんだ」
神夜は言いながら板を地面に置く。
そして、置いたその板に今度は自身の両足を乗せた。
「板に乗って飛ぶ? それは無理だろ」
「箒に乗って飛ぶ奴の言葉とは思えないな」
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