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――瞬間、音叉を思わせる形に変化したわっかの先端から、桜色の光の柱が噴出。
僕自身は光の圧力で後退したものの、光の柱は狙いを外す事無く月へと吸い込まれていった。
「……す、すごい……」
《これが、貴方の『力』です》
声に自慢げな響きを含ませたエクリプスの台詞を話半分に聞きながら、僕は体内を駆け巡る『力』の残滓にある種の昂揚感を感じていた。
「……あれ? でも、僕にこんな力があるんだったら、何で魔力検定の時に感知出来なかったの?」
《それは――『彼女』に問い質した方が早いかと》
彼女?
他にも協力者が?――そう、尋ねようとした時。
『――痛っ……てぇ~~~……ったく、随分とご挨拶じゃねえかよ。 いきなりアタシのケツに砲撃ブチ込むなんてよ』
瞬間。
僕の身体に雷に打たれたかのような衝撃が走り、指一本動かせなくなる。
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