プロローグ

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つまり、本来なら娘が『大切な人』を失う運命だったのが、僕の関係者である妹がその運命を引き継いでしまい――結果、僕の妹が『大切な人』、つまり僕を失ってしまったという訳だ。 当然、運命を管理している神界はこの非常事態を受け紛糾。 とりあえずつじつまは合わせたものの、運命の変更による矛盾の修正は予想以上に大変だったらしい。 『で、だ。 この事態を引き起こしたテメェは本来なら矛盾の軽減の為にあの女が死ぬまでの間この世界とは別の次元へ追放、若しくは封印される所なんだが――』 不機嫌極まりない表情でそう告げたかと思うと、お姉さん――全能神様は不意に表情を愉快気な笑みに崩し、こう言い放った。 『正直、嫌いじゃねえんだよ。 テメェみてえなお人よしの馬鹿はよ。 で、だ。 流石にこの世界に――ってのは無理だけどよ』 『――今すぐ生まれ変わる気はあるか?』
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