プロローグ……のプロローグ

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「――ふうっ」 誕生パーティーもつつがなく終了し、僕は自室にて一息吐いていた。 どうも、パーティーの雰囲気は好きになれない。 「……五歳、か……」 掌をじっと見つめても、僕の本当に求める物がその中にある訳も無く。 「……やっぱり、僕に魔法使いは無理なのかな……」 この国では、三歳と五歳に<魔力検定>が行われる。 何故なら、体内の魔力が解放され始めるのが三歳からであり、解放された魔力が安定するのが五歳だから。 つまり、その頃に体内の魔力を測定する事で、その子供の魔法の素質を正確に測る事が可能となる訳だ。 また、一般的な魔力検定は、年に一度決まった日にその年齢に達した子供達を王城に招き、国付きの王宮魔術師により一斉に執り行われるが、僕達貴族の子供はそれぞれ家毎に検定資格を有する魔術師を雇い、秘密裏に執り行われる事が多い。
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