プロローグ……のプロローグ

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――これが、三歳時の魔力検定を終えた時点で、測定を担当した魔術師に『秘密裏の処理』を薦められた時の父上の台詞。 無責任な発言をした魔術師に対する怒りで荒れ狂う父上を取り押さえるのは、母上でも苦労したそうだ。 その為、今日の魔力検定の際、父上は魔封じの結界にミスリル銀製の鎖で完全に拘束された状態で閉じ込められていたそうだ。 けど、測定終了後すぐに駆け付けてきた。 余りの親馬鹿ぶりに母上も流石に呆れていた。 まあ、そんな父上だからこそ、僕は魔渇が判明した後もこうして『セリオ・ザ・トリガーハート』で居られる訳だけど。 けど――どれだけ両親や兄妹が変わり無く接してくれていても。 僕が『トリガーハート家の落ちこぼれ』である事に変わりは無く。 三歳の頃から感じていた疎外感と劣等感は、僕の中でどうしようも無く渦巻いていた。 「……何で、僕なんだろう……」
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