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「いらっしゃい!何名様で?」
番頭が威勢よく訊く。
「九人です」
勝太が人数を告げると、番頭は脱衣場の方を指差した。
「どうぞごゆっくりー!」
「総ちゃん水鉄砲やろうよ!」
「そうですね!」
「オイオイオイオイちょっと待てぇえ!」
脱衣場に入ろうとする和音の襟を土方が掴んだ。
「ぐえっ」
「女湯はあっちだぞ!?」
首が締まって苦しそうな和音にこれでもかと言うほど顔を近づけて、土方は和音の顔を女湯の方へ向けた。
「何でだ?別にいいだろ?」
原田がどこかで摘んだのであろう草を噛みながら不思議そうに聞く。
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