和の音が響く

華燭之典

｢大丈夫？どこも痛くない？｣

｢痛くないよ｣

身体中を触られてくすぐったそうにしている和音を見て安心したのか、ようやくミツはいつもの顔つきになって言った。

｢もうあんた達はお風呂に入って寝なさい｣

｢まだお昼で｢寝なさい｣

沖田が反論するのを遮り、にこやかに言う。その笑顔に威圧や脅迫といったものが全て混ざっていて、二人は渋々部屋へ戻った。

｢姉上、昔と変わらないなぁ｣

戻りながら沖田はそう呟く。

ミツの気が強いのは昔からで、よく先程のように拳骨を落とされたものだ。