華燭之典

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…………… 翌日。 いよいよ二人が結ばれる日がやってきた。 「和音、動かないで!」 和音は朝からミツに押さえつけられ、花嫁衣装を着たり化粧をしたりしている。 女物の着物は久し振りな上、化粧などほとんどしたことがない和音にとってそれは大変なことだった。 「ミツ姉、紅濃くない?」 「これくらい普通よ。あんたもう新選組なんて辞めて女に戻ったら?」 ミツがそう言うのも無理はない。 もう祝言も挙げて一人前の女性になるのだ。人斬りなど、ミツとしてはもう止めてもらいたい。
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