華燭之典

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「「……………」」 両者共に暫くの間沈黙していたが、それを破ったのは沖田だった。 「……すごい綺麗です、和ちゃん」 「…総ちゃんも素敵だよ」 ほんの少しの距離で二人は微笑み合った。すると席に参加している者達が一斉に冷やかす。 「お熱いねぇ!」 「早く和音も隣に座れよ!」 二人は真っ赤になって俯き、和音は早足で沖田の隣に移動した。 心臓の音が沖田に聞こえてしまいそうでそっと胸を押さえる。 静まれ、鼓動。 半ば祈るような気持ちで、気を紛らわすために装飾が施された床の間を見渡してみた。
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