華燭之典

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高砂の尉と姥の掛け軸を掛け、目の前には鶴亀の置物が置かれている。 少しの間呆けていると、不意に盃を渡された。 「はい、和ちゃん」 盃事を済ませ、歌が始まった。 郷土歌、民謡、俗謡と様々な歌が床の間に満ち溢れる。 床の間は神がいる神聖な場所だ。 そんな中を人々の楽しげな声が満たし、何とも心地が良い。 「総ちゃんも歌ってよ」 和音はそう言ったが、即座に周囲から反対される。 「止めとけー!総司の歌は耳が潰れる! 」 「どういう意味ですか!?」
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