華燭之典

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「相変わらず端唄だけは上手いんだな」 「怒りますよ義兄上」 しかし拍手を貰えたことが嬉しくて、照れ臭そうに盃を煽った。 時間はどんどん過ぎてゆき、話題は二人の幼少期に移る。 「総司は本当に人見知りだったなぁ」 「和音は男の子とばかり遊んでたね」 これには二人も終始赤面させられた。幼い頃の話をされるのは恥ずかしいものだ。 「今ではこんなに立派になってくれて嬉しいよ」 最後は誰もがそう言って、心底嬉しそうに目を細める。 皆、二人の成長が誇らしいのだ。
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