華燭之典

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夜はすっかり深まり、お開きとなった。 試衛館から続々と人が帰って行き、あっという間に元の静けさを取り戻す。 「後片付けは私達でしますから貴方達はもう休みなさい」 珍しくふでが優しい言葉を掛けてきた。流石に新郎新婦なだけに気を遣ってくれたのだろう。 沖田と和音はそれに素直に甘え、入浴を済ませてから部屋に戻った。 部屋には入浴中に用意してくれたらしい布団が敷いてあった。枕を、二つ並べて。 (今しかないですよね…) 沖田は覚悟を決め、隣に寝転ぶ和音に切り出した。
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