華燭之典

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「かっ、和ちゃん!」 「なぁに?」 緊張で声が裏返ったが、和音は普通に返事をする。沖田は激しく脈打つ心臓を押さえつけ、続きを口にする。 「和ちゃんは赤子がどうやってできるのか知ってますか!?」 和音はうーんと唸り、頭を捻って考えている。 (やはり知りませんでしたか…) 肩を落とす沖田はちらりと和音を盗み見た。 「自然にできるんじゃないの?」 「それが違うんですよ」 だが沖田はめげずに言う。 どうしてもここでわかってもらわねばならないのだ。
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